
あなたは3年A組の生徒たち。そんな生徒たちに卒業前最大の試練が降りかかった。真相はいかに。
3年A組 - ■■を原因に失踪したクラスメイト –
中学校卒業まで残り3日。あとは卒業を待つのみとなった生徒たち。
生徒たちの青春に詰まった中学校生活は平穏に幕を閉じる。
はずだった…。
Day1 -目を背けることを選んだ生徒たちへ。-
3月16日(15日) 、3年A組の扉が開く。
「今から、みなさんは人質です。」
教師はいつもと変わらない表情で、担任生徒39人にそう告げた。教室がざわめく。「一般中学生」はこの瞬間、たった一言で「人質」とされた。
鳴り響く爆発音。騒然とする生徒たち。
「これから、俺の最後の授業を始める。」
この瞬間から教師と39人の人質生徒による、『最後の授業』が始まった―――。
最後の授業ーーー。『失踪した一人の生徒の真相について。』
数か月前のことだった。ある日突然失踪したマドンナ的存在のあの子。長い髪、透き通った肌、華奢でスタイルがいい、すべてが完璧だったあの子。そんな悩みなどなさそうな彼女が失踪した。遺書や予告などない。
ーなぜ、彼女は突然失踪してしまったのか。
ーなぜ、教師は生徒を「人質」としてまで真相を突き止めようとするのか。
生徒39人は今まで目を背けていたこのクラス最大の問題に立ち向かわなくてはならない。
『3日後の夜8時までに』
39人の生徒は一人の教師に人質に取られ、自ら蓋をし、目を背けていたその『真実』と向き合うことに。
Day2 -自分を偽る彼女へ。- 彼女の家
生徒たちが人質とされてから一夜が明けた。
『残り二日』
生徒たちは緊迫感に包まれている。遺書や何かしらの要因を探すべく、先生は生徒たちに「彼女の家」へ捜査へ行くよう指示をした。クラスの人気者であった彼女だが、彼女の家へ行ったことのあるもの、知っているものは誰一人いなかった。先生が彼女の住所を提示したが誰も心あたりがなく、生徒間では奇妙な雰囲気が流れた。
生徒たちは彼女の家についた。少し薄暗く不気味である。
おそるおそる家へ入る。
彼女の部屋は何の変哲もない。普通の部屋だ。捜査を任された生徒たちは彼女の机、引き出し
クロゼットの中、ベッドの周りなどを探り始めた。
「おい、見ろなんだこれ」生徒一名が声をあげた。生徒が手に持っていたのは、彼女が「誰か」あてに書いた手紙であった。
「りとへ この前はありがとう。今度の休み、また遊ぼうね。」
最後の方に頑張って消したような跡が残っている。何を書いたんだ。
りとは3年A組のひとりであるが、べつに彼女と仲がいいわけではない。彼女とは違って静かでおとなしい。彼女のように目立ったりするような存在ではない…。二人の共通点といえば…クイズ…が好きなことくらいだ。
ある一人の生徒が彼女の机の上にあった日記へ手を伸ばした。
「1月12日(金) 今日も楽しかった。普段は一緒に帰れないけど金曜日は毎回一緒に帰れてうれしいな。いつもこれを楽しみに私が一週間学校がんばってることなんてりとは知らないよね。
1月19日(金) りとも好きな人がいるんだって。わかんないけどこの学年でトップに入るイケメンなんだろうな。お似合いだよ。私なんて…。
1月26日(金) あと2か月しか一緒にいれないのさみしいなとか考えてたら悲しくなって帰り道泣いちゃった。りと心配かけてごめんね。でもきっと私の気持ちはりとに伝わらないんだろうな。ていうか、伝えちゃいけないんだろうな。
2月2日(金) 私もうつらいかもしれない。ずっとりとのこと考えちゃうんだよね。ある一言を言ったらこの関係が一瞬で壊れちゃいそうで…。怖いよ…。」
これを読んだ生徒は驚きが隠せなかった。いつもクラスの中心でみんなを盛り上げていてくれた彼女が悩んでいたことなんて誰も知らなかった。
ー 一体彼女の身に何が起こったのか。
ー 一体何に悩んでいたのか。
さらに謎が深まる。
結局何の真相もつかめなかった生徒たち。あっけなく2日目が終わる。
Day3 -個性を認め合い、『誰も排除しない』世界へ。- 学校
生徒たちが人質とされてから二夜が明けた。
『残り一日』
今日までに真相をつかまなくてはいけない。教室は緊張感につつまれていた。
ある生徒が昨晩ニュースの一部がうつされた動画を見つけたそう。
「□□町に住む15歳の女子中学生が行方不明となっています。2月3日に家を出てから目撃情報はありません。調査によると何らかの事件に巻き込まれた可能性は低く、失踪の可能性が高いそうです。原因はいまだ解明されていませんが可能性が高いものだと….」
そこで動画は終わっていた。原因がちょうど聞けえなくなっていて意図的に切り取られたかのような終わり方だ。そして2月3日は日記が最後に書かれた日、2月2日の次の日だ。2月2日に彼女へ何かが起こったのか?いやそれとも前からあったことなのか?なにかしらの関係がありそうだ。
突然ある一人の生徒が立ち上がった。
「俺、卒業ムービー作るためにこのクラスの日常風景撮影してた時あったじゃん。その時の動画がいろいろ残ってて、みんなの会話とか放課後の様子とか結構うつっちゃってるところあるから、何か参考にならないかなって思ったんだけど、」
そう言ってたくさんの動画を3年A組のグループチャットに送信した。
その動画の中に彼女とその周りの女子が会話をしているのが写っている動画があった。
「ねえ宵は好きな人いないのー?宵が誰かのことかっこいいとか言っているとこ聞いたことないんだけど」「そうだよそうだよ!だれ―?髪型、マッシュ?それともセンターわけ?」「どの男子だろー。てかそもそもこんな宵にお似合いの人って学年一のイケメンのあの子しか思いつかないんだけどー」
この会話をしているときの彼女は楽しそうな顔はしていなかった。何か考え込んでいるような心の奥にたまった何かを言えないような雰囲気を出していた。普通の人だったら楽しいはずなのに。
残すところ数時間。さて生徒たちはこの卒業前最大の謎を解くことができるのか。すべては生徒たちにかかっている。